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ゲームサウンドクリエイターのあつまり「ゲ音団」との対談

その11:ゲーム音楽はとてつもなく大きなドア


菊田 たとえばなんですけど、
テクノやハウスを聴く人は限られていると思います。

ただ、それに触れてみて、
こういう成り立ちがあってとか、歴史をひも解くのって、
一種の冒険だと思うんですよ。

TECHNOuchi すごくわかります。

最近、ボクはハウスが好きなんですけど、
インターネットで検索するだけで成り立ちはもちろん、
いろんなアーティストがでてきて、
どんどん古いのを聴いてみたりするのがすごく楽しいですね。

菊田 僕も楽しいと感じるね。

今だったら、インターネットがあるから
本当に楽になったなと思う。

斉藤 好きな作曲家のルーツを探るっていうのも面白いですよね。

僕は、Keyの麻枝さん(※10)の音楽が好きで、
その方のブログを見ていました。

そこにパットメセニー(※11)(以下、メセニー)を
聴いていたと書いてあったので聴いてみたら、
もうこれはスゴイ!と思って、
もう、ほかの音楽が聴けなくなるぐらい
ハマってしまったんですよ(笑)


(一同、ドッと笑う)


そこからジャズやインスト(※12)って、
すごい面白いなって思いました。

今度は、メセニーが一緒に演奏してきた方たちの音楽や、
メセニー自身が聴いてきた音楽にも触れました。
(※10)麻枝准(Jun Maeda) … 「Kanon」、「AIR」、「CLANNAD」など、「泣きゲー」と呼ばれる恋愛アドベンチャーゲームを確立させたゲームメーカー「Key」所属のシナリオライター兼作曲家、作詞家。

(※11)パットメセニー(Pat Metheny) … アメリカ出身のギタリスト。現在も、ジャズ・フュージョン界の第一線で活躍している。
グループ、トリオ、ソロなど活躍の場は多岐に渡り、それぞれでグラミー賞を多数受賞している。

(※12)インストゥルメンタル(Instrumental) … 一般的なポップス音楽とは異なり、ヴォーカルの入っていない、楽器による演奏が主体の楽曲。ゲーム音楽や上記のテクノやハウスの大半もインストゥルメンタルに属する。

菊田 ジャンルのせいで、
いいものが聴けないっていうのは
もったいないと思うんだよね。

斉藤 ゲーム音楽は、民族系やクラブ系の曲も多かったりするので、
実はゲームをするだけで色んなジャンルの音楽が聴けますよね。

菊田 そうだね。

そのルーツまで探れば、
世の中にはいろんな体験や
感情があるんだってことがわかると思う。

メセニーの話じゃないけどさ、
メセニーのCDとCDプレイヤーとスピーカーをもって
南の島で聞いたら、最高だよ、きっと!

(メセニーのミヌアノ(※13)を口ずさむ菊田さん)

パァァっと涙がでる美しさだね!


(一同、微笑む)

(※13)ミヌアノ(Minuando (Six Eight) … 1987年にパットメセニーグループ名義でリリースされた「スティルライフ」の一曲目。パットメセニーグループの数あるアルバムの中でも人気の高い名盤。前述の麻枝さんは、3曲目の「ラスト・トレイン・ホーム」を特に推していた。
スティル・ライフ
パット・メセニー・グループ
B002UMFO98


斉藤 僕もメセニーの、音から絵がでてくる感じが好きなんです!
ゲーム音楽もシーンが浮かぶという点で似てるかもしれません。

ゲーム音楽は、音楽としてホントにすばらしいものだから、
他の音楽と遜色なく聴かれてほしいですね。

ゲーム音楽には、いろんなジャンルが含まれていますから、
いろんな音楽を聴くのにいい入り口だと思うんです。

菊田 そうだね。

入り口って意味では多くのものを集約しているし、
いいかもしれない。

みんなゲーム音楽だけじゃなくて、
いろんなものにも触れていってほしいね。