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ゲームサウンドクリエイターのあつまり「ゲ音団」との対談

Article written by 石橋 加奈子

VGOの力強さに背中を押されて、
いよいよ実際に活躍されている
ゲーム音楽のサウンドクリエイターさんの集まり
「ゲ音団」との対談が実現しました。


小さい頃に遊んだゲームの音楽を、
大人になってから改めて聴いてみると
ぶわっと当時の感情が蘇ることってありませんか?

個人の話で恐縮ですが、
私はそんな時に心がくすぐったいぐらいに熱くなって、
ハラハラと涙が流れてしまうんです。

ずっとそれを不思議に思っていたのですが、
今回の対談でその不思議がわかったように感じます。


さて、

今回のお話で2083が知ったことが3つあります。

1つは“人の想いが音楽を作るということ”
2つは“ゲーム音楽の歴史”

そして、3つは“想いを伝え合う大切さ”です。

それでは、はじまり、はじまり。




その1:2083と申します


斉藤 本日はお忙しいなか、こんなに素晴らしい機会を
本当にありがとうございます!

菊田 僕は2083を知らなかったんだけど、
ホームページを見るとすごく立派にできているし、
どんなサイトなんだろう?って思ったよ。

斉藤 僕は、本職がWEBデザイナーなので、
2083のサイトは、自分で運営しています。

菊田 やっぱり、そうじゃないとこういったものはできないよね。
ちゃんとしたメディアなのかとも思ったぐらい。

斉藤 ありがとうございます。

現在は3人体制で運営していまして、
僕以外に、2083の色々な企画の運営のお手伝いに1人、
特集コンテンツのライティングに1人が携わっている形です。

この3人のメンバーはゲーム音楽を演奏するアマチュア楽団の
「コスモスカイオーケストラ(※)」で
活動していた時に知り合った3人なんです。

その他にも翻訳やシステムなど、
部分的にそれぞれ得意な方にお手伝いをいただいています。
(※)コスモスカイオーケストラ(Cosmosky Orchestra) … 2005年10月に設立された、ゲーム音楽を中心に演奏するアマチュア楽団。
2083代表の斉藤は、2007年10月の第一回定期演奏会を機に退団している。

TECHNOuchi そうだったんですか。

人の出会いって、おもしろいですね。

斉藤 2083はまだできたてのプロジェクトですが、
コンセプトを設けています。

いま、僕たちが聴いているゲーム音楽が、
時代を経れば現在のベートーヴェンや
モーツァルトの音楽みたいに文化として
残るんじゃないかというものです。

“ファミコン誕生から100年、
クラシック音楽は、ゲーム音楽に。”

と、ちょっと大きく出ていますが(笑)
そういった思いで活動しています。

菊田 僕ら、その時にはもう額に入っちゃってるかも。

TECHNOuchi 音楽室に飾られたらいいですけどね(笑)

(一同、笑い)

菊田 でも、僕たちの作るものが、
残っていくっていうのはいいと思う。

そうなると嬉しいよね。

TECHNOuchi えぇ。

斉藤 カンタンに言ってしまうと
ゲーム音楽をもっと広めて残していこうという感じです。

それと、ゲーム音楽を通じていろんな人に話を聞くなかで、
自分たちが今後、ゲーム音楽に対して何ができるかを
探していこうという意味合いもあります。

菊田 なるほど。

斉藤 僕は以前から、みなさんの
「ゲームの音屋の団体」(以下、ゲ音団)のサイトを見ていて、
実は去年末のクリスマスプレゼント企画に当選したんです。

TECHNOuchi なにが当たったんですか?

斉藤 『龍が如く3(※)』のオリジナルサウンドトラックです。

龍が如く3オリジナルサウンドトラック
↑サウンドクリエイター坂本英城氏のサインつき!
(※)龍が如く3 … セガから発売されているアクションアドベンチャーゲーム「龍が如く」のシリーズ3作目。

菊田 おぉ、そうだったんですか!

斉藤 その時は、実際の現場で活躍されている
サウンドクリエイターさんとお話ができるなんて
想像もしていなかったので、驚いています。


2083としては、第1回で楽譜出版のスカイポート出版さん、
そして、第2回ではボストンのゲーム音楽演奏楽団、
VGOさんとの対談を重ねてきました。

菊田 ショータみたいに海外で活動している人と話すのは
刺激になるでしょ?

斉藤 はい。お知り合いだったんですね!

菊田 えぇ。

僕たちは日本のアマチュア団体のことを逆に聞いてみたいので、
後で教えてくださいね。

斉藤 もちろんです。

ゲ音団の設立話は公式ブログで
拝見させていただきましたが、
まず、そのルーツというのを
改めてお聞きしてもよろしいでしょうか?

TECHNOuchi はい。

ケイブ(※)さんから発売された
「怒首領蜂 大往生」のアレンジアルバムがきっかけです。

そのアレンジCDには
ゲーム音楽に携わるいろんな方が参加されていて、
ここでまずゲーム音楽の
サウンドクリエイターたちが集まりました。

打ち上げも行われて、
そこから定期的に飲み会をしようという話になりました。

次に開催した飲み会で、いろんなサウンドクリエイターさんが
気軽に集まれる団体があればいいよねって
菊田さんと話をしたのがゲ音団の始まりです。
(※)ケイブ(CAVE) … 日本のゲーム製作会社。
現在は、モバイルコンテンツやオンラインゲームの開発も手がけている。
「怒首領蜂 大往生」(どどんぱち だいおうじょう)は、2002年にアーケードで稼動開始されたケイブ開発のシューティングゲーム。

菊田 ホームページの運営や事務的なことを
TECHNOuchiくんが担当していて、
ボクはそれに意見やアドバイスをする役割です。

TECHNOuchi 団体っていうとちょっと固いですが。

菊田 そうだね。

TECHNOuchi そのサウンドクリエイター同士のつながりを作っていくなかで、
自分たちが作ってきたものをメモ的な感じで
ホームページに集約できればいいなと思いました。

斉藤 なるほど。

ところで飲み会の様子って、パーティー風なんですか?
それとも一般的な居酒屋風といいますか。

TECHNOuchi ある程度の人数が入れる個室を探して貸し切りでおさえてます。
毎回40人から50人ぐらいが集まるんですよ。

で、やっぱり初めは名刺交換ですよね。

菊田 立食の会じゃないのに、初めだれも座ってないんです(笑)

(一同、笑い)

斉藤 お互いが相手のファンだったりすることもあるんですか?

TECHNOuchi えぇ、名前は知ってるけど初めてお会いした方も多くて、
サインをもらったりしたこともあるくらいです。

斉藤 最近サウンドクリエイターさんの
取材が増えてきているとはいえ、
メディアに出ない方も多いですものね。

TECHNOuchi えぇ。

斉藤 そうすると、今までサウンドクリエイターさん同士って
なかなかお会いする機会がなかったのでしょうか?

菊田 そうそう、
そこなんですよ。