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ボストンでゲーム音楽を演奏するVideo Game Orchestraとの対談

その7:著作権とお金

斉藤 VGOの演奏は、youtubeでもご覧になれますが、
動画のアップっていうのは許可を取ってるんですか?

仲間 あれは、載せましたーって、気軽に連絡しちゃうんです。

斉藤 なんと!

仲間 バークリーは著作権の年間使用料を
各著作権団体に払っているんです。
年間5,000万円ぐらいでしょうか。

なのでバークリーがプロデュースしたコンサートを行う場合、
動画のアップについても文句は言われません。

ゲームの絵や、ゲームの動画を使用したらダメですけどね。

斉藤 日本でも“演奏を録音したもの”なら
アップしても可能な作品もありますが、
メーカーによってはコンサートで演奏すること自体
難しい作品もあります。

有料コンサートとなると、なおさらです。
VGOのコンサートは、有料なんですか?

仲間 次回からですね。

やはり、お金を取らないとグループが伸びないと思います。
VGOのプレイヤー目線でみると、
演奏を安売りしちゃいけないんです。

お金を取るにしても、極力、値段を下げて
いろんな人に聞いてもらいたいんですが、
それで赤字になって、運営ができないってなると本末転倒ですから。

斉藤 えぇ。

前回の楽譜出版の方とのインタビューでも話が出たんですが、
僕ら、アマチュアが無料でコンサートを開催していくのにも
ある程度、限界があります。

主に著作権の兼ね合いで無料の風潮がありますが、
最近になってカンパを募ったり
有料でコンサートをするところもでてきました。

仲間 ボクらはもしかしたらその辺り、
日本の人たちより苦労していないかもしれません。

毎回の練習場所や会場もバークリーで確保できますし、
著作権もボクらが払うわけではありません。

それでも、有料化をしていこうと思うんです。

斉藤 このままだと先がないというか。

仲間 そうなんですよ!
先がないって言うのはホントに大問題です。

対談写真

斉藤 今後は日本などでも展開されていきますし、
VGOとしても日本でホールを取って
コンサートを行う可能性はありますか?

仲間 間違いないですね。

ボクはボストン以外でもコンサートを開催しようと思っています。
ボストンには、ボストン交響楽団がやっているような
会場しかないのでボストンばっかりでやっても
あまり意味がないんですよね。
さっき言った、先がないということと関係しています。

そうなると、ボクたちも日本の楽団のような
事態になるかもしれないのが怖いですね。

斉藤 確かにそうですね。

仲間 でも、VGOの飛躍、メンバー個人の飛躍を考えるなら、
今ある先に挑戦していくことに意味があると思います。

だからボストンを出て成功して、
初めてプロって言われるのかもしれないですね。