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ボストンでゲーム音楽を演奏するVideo Game Orchestraとの対談

その2:VGOのキッカケは『クロノ・クロス』

斉藤 VGOを作るキッカケっていうのは何だったんですか?

仲間 ん〜〜〜、
ボクがやりたかったからです!

(一同、ドッと笑う)

仲間 あえて言うなら転機は『クロノ・クロス(※4)』ですね。
ゲームというよりもサントラを聴いて、
1曲目の「CHRONO CROSS 〜時の傷痕〜」にやられた。

あの曲はボクにとって、
“ゲーム音楽ってここまできた”って教えてくれた曲だったんです。
(※4)クロノ・クロス … スクウェア・エニックス(旧エニックス)から1999年に発売されたプレイステーション用RPG。
前作にあたる「クロノ・トリガー」の続編。
作曲は「その1」でも話題にあがった光田康典氏。

斉藤 すごい衝撃だったんですね。

仲間 日本にいた頃はゲームもいっぱいやりましたが、
アメリカに渡ってからはゲームもせずに
勉強ばっかりしていたんです。

そういう環境のなかで
『クロノ・クロス』のサントラに出会ったもんだから、
これはすごい!やるしかない!!って思いながら、
1日に何十回も聴きました。

斉藤 なるほど。
ところで、勉強というと、
具体的にどういったことを学んでいたのでしょうか?

仲間 その時は、
バークリーの映画音楽科に通っていたので、その勉強ですね。

ボクは映画音楽の現場も見ているわけですが、
その当時でさえ、映画音楽っていうのは、
映画のなかでも“二の次”みたいな考え方の人が多くって。
ゲーム音楽もきっとそういう状況なんだろうなと感じて、
それをちょっとでも変えられるなら変えたいとも思いました。

斉藤 それはいつ頃のことですか?

仲間 2008年の6月ぐらいかな。

斉藤 わっ、VGOの創設の月ですか?
ホントVGOはすぐ立ち上げたんですね。

仲間 ボク、待つのきらいなんですよ。
面白いことがあったらすぐ始めたいんですよ。

って、なんでショウタローは笑ってるの?

貝塚 いや、待つのきらいって、
歩くの本当に早いなぁ〜って思い出しちゃって。
テレビ局のプロデューサーみたいだもん。

仲間 ボクって移動に時間かけるのもイヤなんですよ。

斉藤 で、笑っちゃうぐらい早いんですか?

仲間 ボクはもっと早く目的地につきたいんです。

で、気持ちが前にいっちゃって…
カラダが前に傾いちゃってるんですよ。

(一同、爆笑)

対談写真

栗谷 そうそう、それ見て笑っちゃって(笑)
それで前にショウタローくんと一緒に
テレビ局のくだりの話をしてたんです。

仲間 アハハ。そうそう話が脱線しちゃいましたけど、
初めは、コンサートを開催するのも大変だったんですよ。