特集コンテンツ

DETUNEに聞く、M01とこれから

その5:「iMS-20」、sanodg新譜、そして今後のDETUNE


斉藤 iPad用アプリ「iMS-20」が凄い人気ですが、
そちらについてもお聞かせください。
(※) KORG iMS-20 for iPad ・・・ アナログシンセサイザーの銘機「MS-20」をiPadで再現したアプリ。2010年11月に発売され、App Storeで「トップセールス」で3週間1位と大ヒット。1月31日まで1,800円(通常価格3,800円)




佐野 これはまさに「DS-10」プロフェッショナルというか
「DS-10」マニアックスですね。

「DS-10」の元となったアナログシンセ「MS-10」の兄弟機に
「MS-20」というがあったのですが、
それが1個のパラメータの省略もなくそのままiPadで再現されたものです。

その他の根本的な設計思想は「DS-10」と同じです。


このマニアックなたたずまいと、
もう1点凄いのが、ネットと直接繋がるという点。

SoundCloud(サウンドクラウド)とコルグが協力していて、
「iMS-20」の音と一緒に
「iMS-20」のセッティングデータも同時にアップできる。
(※) f1 SoundCloud ・・・ YouTubeのサウンド版と言えるような、音楽配信共有サイト。DETUNEのサイトでもよく貼られている。

佐野 つまり「iMS-20」を持っている人は、
SoundCloudにアップされている曲の音を聴けるうえに、
「iMS-20」のデータも持ってこれる。

SoundCloud社が音以外のデータを置いたのは初めてです。
そういう意味でも新しいソフトですね。

反応がもの凄いです。特に海外から。

斉藤 アプリの1位になっていましたよね。
開発はコルグさんが中心ですか?

佐野 ええ。基本的にコルグさんがやっていて、
DETUNEではDS-10開発者視点でのアドバイスとか、
デモ楽曲のプロデュースなどを担当したのですが、
まあ要するに「いやぁ凄いっすねぇ!」と言っているのが中心でした(笑)

岡宮 どうですか、このつまみの数が。
クラクラくるでしょ?

佐野 この見た目、女性に理解されないんですよ。

斉藤 でもこういうの、男は無条件に好きですね。

佐野 そうですよね。

あと、シンセでは右手でキーボードを弾きながらつまみを動かすんですよ。

写真


「DS-10」ではそういうことができなかった。
「iMS-20」ではそれができるだけでも楽しいですよ。

またこれは、「SQ-10」というアナログシーケンサーも元になっています。
シーケンサーでこうやって・・・どんどんフレーズが変わっていきますよね。


ちなみに私は中学生の頃、
こういうことをやっていて親に怒られました。

「ガーだ、ピーだやかましい! 勉強しろ!」って(笑)

このシーケンサーの特徴が分かってくると、
「いわゆる曲」というのではなく音みたいなものを作って
アップする人も出てくるかなと思います。
それも楽しみですね。

デモ曲はSoundcloudにありますが、
「DS-10」でお世話になった
スーパーユーザーの方々にも作っていただきました。
演奏中の画面を見てるとバンバンつまみが変わっていきますよね。
最初に見ると、だいたい面食らいますね。

斉藤 ぼくは面食らいましたけど、「面白そう」って思いました。

佐野 予想以上にマニアックになったので、
いきなり全部の機能を分かろうとするとしんどいかも知れません。

でも、例えばドイツの方なんかは、ひとつひとつ全部覚えていこうとする。
逆にアメリカの方は適当にガンガン触っていく(笑)

斉藤 右脳派と左脳派みたいですね。
世界で発売しているんですよね?

佐野 はい、これはいきなり全世界発売です。
これもイベントをやりたいですね(イベントについては後述)。

高部 iPadを持ってたら欲しいですね。

佐野 iPad、買ってはみたけどどう使いこなそうか持て余している人もいるみたいで、
そこにこれが出てきたので、
「俺のiPadが認められた!」みたいな発言をツイッターで見ますね。




佐野 あと、DETUNEからCDを出しました。

写真


ちょっとでも紹介していただけると
自宅の部屋の在庫がなくなって、
足を伸ばして寝ることができるので(笑)

よろしくお願いいたします。

1曲目が「M01」にデモ曲として入ってます。

Brightness
Brightness


Brightness / sanodg ・・・sanodg(=佐野氏)の4年半ぶりのオリジナル・ソロアルバム。Detune SoundsというDETUNE社の音楽レーベルより発売。



斉藤 ジャケットやインナーの写真が光田さんなんですよね。

佐野 そうなんですよ。ゲーム音楽王子、初の写真家デビュー!

斉藤 僕は佐野さんの曲がとても好きで、
Myspaceなどにアップされている曲も聴いてますが、
音の空間密度やうねり具合がすごく好みです。




斉藤 それでは、最後にDETUNEの今後についてお聞かせください。

佐野 DETUNEとしては、今後、
新しい曲のきっかけになるような製品が作れるといいですね。

「ジャンルを作るような機材」って今までも出てきたじゃないですか。
そんな製品。

あとは、例えば、『「M01」や「iMS-20」がきっかけでアーティストになりました。』

という人が出てきたら、それは本当に嬉しいです。

斉藤 ゲーム音楽を聴いて作曲家になったという人も沢山いますからね。

佐野 あーでも僕はそれ言われると困っちゃうんですよ。
「佐野さんの曲を聞いてこの仕事をやっております」
なんて言われると、「ほんとごめんなさい」って言っちゃう。


(一同笑)


斉藤 それでは、本日は長い時間にわたり有難うございました!

写真





M01製品情報


KORG M01 (Amazon.co.JP限定販売)
KORG M01 (Amazon.co.JP限定販売)


今回の特集コンテンツで紹介したニンテンドーDS用音楽制作ソフト「M01」。
店頭販売はされておらず、Amazon限定販売となっています。




DETUNEイベント情報


「オールナイト☆デチューン」

2011年1月28日(金)
深夜0時00分〜翌5時00分

新宿ロフトプラスワン
前売1,500円(1月26日迄)
当日1,800円

(ローソンチケット Lコード:35482)

KORG M01、KORG iMS-20をはじめとした
モバイル系サウンドツールによるユーザー「ライブ」イベント。
あなたのと同じM01やiMS-20からこんな音が出るなんて!!!







取材を終えて


これでDS用ソフト「KORG M01」を中心とするDETUNEのお二人へのインタビューはおしまいです。

予想通り(?)終始佐野氏のトークが炸裂し、
一見マニアックな「M01」について楽しく知ることができました。
ご覧になられた皆さんも、きっと興味が湧いたのではないでしょうか。

まだ発売から2ヶ月も経っていませんが、
既に「M01」で作られてた楽曲がYouTubeやニコニコ動画に多数アップされています。

今後の「M01」、そしてDETUNEの動向から目が離せません。

それでは、最後まで有難うございました!






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