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ゲーム音楽と歩んだ25年 〜下村陽子ロングインタビュー〜

その9:これからも、私の曲をご一緒に。


─ 今後のご予定に関する質問をお聞きしていきたいと思います。

25thQA 下村さんのオリジナルアルバムを作る予定はありますか?

─ これは、ゲームの曲に関係しない、下村さん完全オリジナルのってことですね。

下村 死ぬまでには作ってみたいかなって思いますけど、今すぐに作る予定はないですね。……けっこう私、コロッと心が変わるので、わからないですけどね(笑)。
絶対に無いとは言わないですけど、今のところは具体的な予定はないです。

25thQA ゲーム音楽の作曲以外に、今、やってみたいことはありますか?
それとも、あくまでもゲーム音楽ひとすじですか?


下村 ゲーム音楽ひとすじって決めてるわけではないんですけど、やっぱり私はゲーム音楽に向いてるのかなって思いますね。だからって、別に他のお仕事をまったくしたくないってわけではないですけどね。ご縁があって、私でもできそうなことがあれば仕事の幅は広いに越したことはないですから。求められれば……あとは時間があればお受けしたいです。けして、ゲーム音楽以外はまったくやらないってことはないですよ。

25thQA オーケストラアルバム『drammatica』、今でもずっと聞いてて、ホントに毎回鳥肌が立つくらい凄いと思います。大好きです! あれの、続編と言いますか…パート2なんかはご予定されてないでしょうか?

下村 2014年3月26日に、スクウェア・エニックスさんより、下村陽子25周年記念のベストアルバム「memoria!」が発売予定です。

memoria!/下村陽子25周年ベストアルバム
memoria!/下村陽子25周年ベストアルバム

ベストアルバムとしては、「drammatica」に続く、第二弾となり、スクウェア・エニックスさんで、この20年の間に書いてきた曲から選曲させて頂きました。
「drammatica」とは収録曲も、コンセプトも変えて、また違う趣のベスト盤になったのではないかなーと思います。是非是非、聴いて頂けると嬉しいです!


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─ さて、最後になりましたが、2月10日と11日には、下村さんの25周年ライブが開催されますね。このライブについてもお聞きしたいのですが、演奏される楽曲は下村さんがすべて選んだ形になるんですか?

下村 そうですね、私が選曲しています。せっかくの25周年ライブですから、今回はメーカーさん問わずいろいろやりたいなあと思って。

─ 選曲は、どういう基準で選ばれたんですか?

下村 基本的には、できるかぎりいろいろなタイトルですね。皆さんから「この曲好き」と言って頂いてるのはできるだけ入れて。あと私が、「この曲はぜひこういう形でやってみたいな」と思っていたものもあったので、そういう曲は私の独断と偏見で入れました。

─ どんな曲が演奏されるんでしょうか。

下村 それは当日までのお楽しみ!ですね。まあ、ゲストさんから読める部分があるかもしれませんけどね。ライブですけど、全部が全部バンドサウンドってわけじゃなくて、アコースティック的なこともやりたいなと。今までのゲーム音楽演奏会では、恐らくなかったんじゃないかなってこともやろうと思ってます。それもどうぞお楽しみに!

─ 楽しみにしています! ライブでは、下村さんファンのみんなが集まりますよ。

下村 いや〜、どうしましょう。とりあえず、カスタネットでもやりながら出てきましょうかね(笑)。当日、どうやって登場しようかなって今色々考えてます。ライブの制作会社の方と話してる時に、「私ね、背中があいた真っ赤なドレスを着てね、らせん階段を「私のためにありがとう〜!」って言いながら降りてきたいのよ」って言ったら「そんならせん階段があるライブハウスなんかねぇよ!」って言われて(笑)。

─ たしかに(笑)。ないですよ。

下村 「そっすかぁ〜」みたいな(笑)。もともとこのライブは、ゲリラライブにしようと思ったんですよ最初は。50人くらいのちっちゃなライブハウスで、いろんな人が出てきて私の曲を演奏してくれて、それをお酒を飲みながら聴けるみたいな……そういうのをやりたいなって思ったんです。

でもお話を進めるうちに、やりたいことが増えてきちゃって。これはやっぱりちゃんとしたライブにしたほうがいいと思ったんです。もともとは、本当にちっちゃなところでやるつもりだったんですけどね。そんな、小心者のワタクシがね、おっきい舞台に立つなんて!とか思って(笑)。

─ いえいえ、みなさんに愛されてますから!

下村 いやあどうなんでしょうね、ドキドキドキドキ。ありがとうございます。

─ では最後に、25周年を迎えた今のお気持ちと、今後の意気込み、そしてファンの皆さんへのメッセージをお願いいたします。

下村 歳とっちゃったわね〜、みたいな(笑)。まあ25年もやってれば少女も大人になる、じゃないですけど、歳をとるわけで。でも幸せなことに、いい歳の取り方をさせてもらってます。素敵な仲間や、素敵な出会いでいっぱいの25年間でした。

こんなに恵まれていることを考えると、やっぱり私も何かをお返ししていかなきゃと思うんですけど、返すっていうのが具体的に何なのかっていうのはまだ分からないんですよね。でも、私が曲を書いて、それを喜んで聴いてくれる人がいるっていうのは、少しはお返しできてるのかなと思うので、これからもそれを忘れずにいたいです。やっぱり、私の音楽を聴いてくれる人がいて、喜んでくれる人がいて、そのうえで自分の書きたいものを書いていけるっていうのが本当にベストだと思うので。その姿勢は崩さずにいたいですね。

今回、25周年という節目を迎えましたけど、26年、27年と、これからも作曲を続けていきたいです。また30周年とかが来たら、何かまた大きなことができるといいですね。まあそれにこだわらずに、チャンスがあればいろいろとやっていきたいなと思います。これからもご一緒に、私の曲を楽しんでいただければ嬉しいです。私自身も楽しんでいきたいと思います。

─ 楽しむのが一番大事ですよね。

下村 そうそう、楽しくないとね。まあそれでも悲しい曲書かなきゃいけなかったりするんですけど(笑)。これからも頑張っていきたいと思いますので、長ーくおつきあいいただけると嬉しいです。今後ともよろしくお願いいたします!

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