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よりよい運営って、なんだろう?−ゲーム音楽を演奏する管弦楽団 リトルジャックオーケストラとの対談−

その2:10年、続いた


斉藤 いろいろ聞いておいて、またちょっと話は戻ってしまうのですが、
ここでリトルジャックオーケストラ設立の経緯を聞いてみてもいいですか?

小又 そうですね。

私たちが入ったのが5年前の第2回定期演奏会だったので
設立の時は、まだいなかったんです。

斉藤 なるほど。
でしたら、聞いた話も交え、お話を伺えたらなと思います。

小又 えーっと、そうですね。

リトルジャックというのは1代目の団長である橋本が
植松さんのファンクラブサイトで
ゲーム音楽を演奏したいと書き込みをしたことから始まります。

ちょっとした気持ちで書き込みをしたらしいんですが、
思ったより反響が大きかったようで
集まってとりあえず音楽をやろうということになりまして。

リトルジャックオーケストラという名前は後からついたそうです。

斉藤 はい。

小又 当初というか、そもそも10年前だと
ゲーム音楽を実際の楽器で演奏する
という考えがまだ馴染んでいなかったんですね。
想像できなかったというか、
半信半疑に近かったと思います。

斉藤 半信半疑ですか(笑)

小又 驚くのが、それでもやりたいという人が多かったんですよね。

最初はやっぱり楽譜とかどうしようってなっていたようですが、
当時から自分たちで作っていたと聞きます。

斉藤 最初に編曲した人たちは、
相当苦労なさったのでしょうね。

小又 えぇ。

そこからずっと蓄積した技術があったから、
やっと2004年に第1回の演奏会を開催できたと思います。
2000年からと考えると4年ほどかかっていますね。

斉藤 意外と長かったんですね。

小又 そうかもしれませんね。

それからはメンバーの入れ替わりなどもありましたけど、
毎年1回の定期演奏会を中心に
演奏会を行っているという感じです。

そのほかでは、イベント的なものに招待されたときに
時間と練習、器量が許す限り参加しています。

斉藤 10年続けるというのは、
簡単に出来るものではないと思います。

当初から在籍していたコアメンバーが
退団してしまったということもありましたか?

小又 もちろんありました。

紆余曲折や崩壊危機というのもありましたけど、
その間もなんとか乗り切ってきていました。

なぜ、乗り切ってきたかと聞かれるとよくわからないのですが、
やっぱりゲーム音楽があったからだと思います。

斉藤 といいますと?

小又 私個人の印象ですが、
どんなことがあってもゲーム音楽を演奏したい!
という想いさえあれば、
なんとかなると今は思ってるんです。

みんな仕事を持っているので、
ゲームに触れる機会というのは減ってきてはいるんですが、
やっぱり曲自体がいいじゃないですか。

斉藤 えぇ。

小又 よくわからない曲でも演奏してみてからゲームを始めるとか、
ゲームが好きで演奏するという流れもおもしろいと思います。

現在のリトルジャックオーケストラは、
ゲーム音楽を(手軽に?)演奏できる環境にはなっているので、
ふらっと入ってきて、十分にやっていけるかなという感じですね。

斉藤 ひとつ、拠り所があると強いですね。