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ボストンでゲーム音楽を演奏するVideo Game Orchestraとの対談

その10:とにかく考えて、とにかく動き出そう

斉藤 ちょっと漠然とした質問かもしれませんが、
今後、ゲーム音楽というものはどうなっていくと思いますか?

仲間 今後は、どんどん成長していくしかないですよね。
もうここまで来てしまったら、
ジャンルもテクノロジーも何でも使えてしまう時代です。

これまでのように、どんどん宇宙みたいに
膨れ上がっていくものじゃないかと思います。

斉藤 そうですね。

仲間 今から5年とか10年経っていくと、
ボクらにとってのコンピューターの位置は
今よりもっともっと身近なものになると思います。

そうしたらエンターテインメントの中心が何になっていくかというと やっぱりゲームじゃないかな。
もっと疑似体験ができるようになって。

斉藤 その可能性は高いですね。

仲間 そうなった時に音楽って
絶対必要になってくるじゃないですか。

斉藤 えぇ。

仲間 だから業界が大きくなっていくにつれて
音楽も大きくなるわけで、
発展していくしかないと思います。

斉藤 僕は、ゲーム音楽って、
いろいろな音楽のジャンルが文化として残る上で、
重要な媒体だと思っています。

ゲーム音楽は、ゲーム好きな方はもちろん、
ゲームや音楽に疎い方でも馴染みやすい面があります。

ゲーム音楽を入り口に、クラシックやジャズなど
いろいろな音楽に興味を持ってもらうことも可能だと思います。

仲間 ボクも似た理由でバンドを足したっていうのもあるんですよ。

斉藤 そうなんですか!

仲間 オーケストラにバンドを足すだけで、
ものすごい多様なジャンルができるじゃないですか。

いろんな曲を聴いてもらえるってすごい重要だと思います。
ボクらの編成だと制限なく
多様なジャンルを扱えるところがいいところですね。

斉藤 そうですね。

それに音楽だけではなく、バレエやオペラなどの舞台芸術や、
アートとのコラボレーションも相性がいいので、
音楽以外の芸術に興味を持ってもらうことも可能です。

ゲーム音楽が盛り上がることによって、
それ以外の音楽ジャンルや芸術分野も
盛り上がればいいなと考えています。

仲間 でも、それは元にゲームがないとだめだよね。
ストーリーも深く関わってくるし。

実際にゲームを超えてしまっている音楽というのはたくさんあって、
音楽であれば、ゲームの質と関係なく演奏ができると思います。

でも、視覚的表現となってくると、
ゲーム自体もより良いものになっていく必要があるのかも。

斉藤 そうかもしれません。

実は、僕自身、ゲーム音楽の演奏を始めるまで、
オーケストラやオペラ、バレエなどに触れる機会が
まったくなかったんです。

周りにそういったことに興味を持っている人も
いないからぜんぜんわからなかったし、
情報が入ってくる機会すらなかったんですよ。

でも、最近になって触れてみるとすごくいいものだなって思って、
なので、ゲーム音楽によって、なにかこう
視野が広がるキッカケを与えられればいいですよね。

仲間 なるほど。