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ゲーム音楽の楽譜ができるまで

その4:はじまりはMOTHERから

そうそう、
今日は僕が起業してから一番最初に作った楽譜を持ってきたんです!

斉藤 おぉ!うれしいです。

(ガサゴソと鞄から楽譜を取り出す秦さん)

MOTHER楽譜

斉藤 すごいですね!
デザインもいいですが、紙質(マットPP)もいい。

楽譜なんで、薄いと裏に譜面が写っちゃうって言われたんですよ。
なので、ちょっと厚みを持たせることに注意しました。

斉藤 あっ、これってよく楽譜の最初に載っている
“ワンポイントアドバイス”とかですよね?

攻略プラン

そうです。ゲーム楽譜なんでそれっぽくと思いまして(笑)

斉藤 ということは、文章も自分で書かれているんですね。

えぇ、僕一人しかいないので。

(確かに、と一同笑い)

斉藤 第8版ということはかなり売れているんですね。

数は言えないんですが、
やはりゲーム音楽の楽譜自体が少ないというのもあるかもですね

斉藤 『MOTHER』(※5)のゲーム自体はされたんですか?

(※5)MOTHER… 任天堂から発売されているRPGゲーム。
ちょっと変わったアメリカ風の世界観が特徴。
糸井重里がゲームの開発に関わっている

えぇ、1と2の両方をやりました。

斉藤 もともとゲームはお好きだったんですか?

僕が大学生の頃にゲーム全盛期でして、
本当はぼくもゲーム会社に入りたかったんです。
でも、それは叶わなかったので……。
当時は『ドラクエ』なんかもレベル99までやったりとかしていました。

斉藤 それはかなりやっていますね(笑)
スカイポート出版さんは、『ドラクエ9』の楽譜も出されていますよね。

えぇ、『ドラクエ9』の曲もいい曲がいっぱいですよね。

斉藤 スカイポート出版を起業された時にも
ゲーム音楽主体でやっていこうと思われていたんですか?

その頃は、まだゲームに特化しようと思っていなかったんです。
僕ができるものと、実際に許可が下りるものって考えていました。
最初に出版したのが、
たまたまゲーム音楽の『MOTHER』だったんですけど、
J-POPでも大河ドラマでも何でもやろうと思っていました。

斉藤 今もそれは変わっていませんか?

いえ、だいぶ変わりました(笑)
もうゲーム音楽主体でという感じですね。
単に僕が好きっていうのもあるんですが、
マーケティング的に見ても
ゲーム音楽がいいんじゃないかって行き着いたんです。

斉藤 それはどういうことですか?

いろんな理由があるんですけど、
一番はお客さんの反応がとてもいいんです。
あの曲をぜひ楽譜にしてほしいとか。
『MOTHER』も有名ですけど、
他の出版社さんじゃ作られていなかったり
昔はあったみたいなんですけどね。

最初の頃は今のように本にはしていなくて、
紙1枚に楽譜を印刷して売っていたんです。
その頃はお客さんとの交流も多くて、
アニメの曲なんかをリクエストされて、
許可を取って作成していた時代もありました。
そのうち売れるようになって本も出すようにしたという感じです。

斉藤 お客さんからの需要があってこそ行き着いたジャンルでもあったんですね。