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ゲーム音楽の楽譜ができるまで

その3:1人で楽譜出版社をつくるまで

斉藤 スカイポート出版さんって、
何人ぐらいでやられているんですか?

1人なんです僕(笑)

(一同、驚き)

斉藤 そうなると、編曲や採譜(※4)もしますよね。
もしかして音楽大学卒業ですか?

(※4)採譜…音源や演奏から音を聴き取り、楽譜に書き記すこと。

そうです。
高校3年生から目指して、作曲科に入りました。

斉藤 えっ、ずいぶん遅いですね。
よく間に合いましたね。

いえ、間に合わなかったので1浪してしまいました(笑)

斉藤 なるほど(笑)
楽器は、なにかされていたんですか?

中学校の時に遊びでピアノをやっていたぐらいですね。
作曲科だと作曲の問題のほうが多いので、
ピアノの実技は少なかったんです。

斉藤 それでもすごい!
今回お話を伺うにあたって、
楽譜出版について少し調べてきたんですが、
音大卒の方が大きな音楽レーベルに入社して
お仕事をなさっているようですね。
元になる曲の意図を汲み取って、アレンジしたり、
オーケストラの楽譜に起こしていると聞きました。

その通りです。
僕も昔は楽譜出版社でアレンジャーをやっていました。
その頃は請負なので、
ゲーム音楽は全くやっていませんでした。
それで、何年か経って起業したという形ですね。

斉藤 それにしても1人でっていうのは初めて聞きました。
独立ってよくあることなんですか?

僕も起業するときに、
同じようなことをしている人がいないか調べたんです。
そうしたらぜんぜんいなくて、たぶん最初みたいです。

(おぉ〜っと一同驚き)

会社勤めで請負だと、
依頼される音楽ジャンルが少ないじゃないですか。
『ドラクエ』とかの仕事なんかは
誰かがすでに担当していることが多いんです。

斉藤 ゲーム音楽という括りでも少なさそうですしね。

そうなんです。
好きな曲ができるとも限らなかったですね。
僕は最初、ビートルズとかの曲を
アレンジして楽譜にしていたんですよ。
ゲーム音楽は起業してから初めてやりました。