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「植松伸夫の10ショート・ストーリーズ」について

その5:植松流、しごとのススメ


斉藤 ちょっと話は変わるのですが、
植松さんは毎日多くの仕事をされていると思います。
その中で、息抜きなどはどうされているのですか?

植松 最近パンを焼いているんですよ。

斉藤 パン、ですか。

植松 小麦粉を無心でこねているとストレス解消になるんだよ。
あと、自信にもなるのかも。

斉藤 自信、ですか?

植松 音楽の制作がはかどらなかったりするでしょ?
そうすると僕でもやっぱりダメージを受けるのよ。

俺ダメかもって自信を失って、
やる気ナシナシになっちゃうの。

斉藤 植松さんでもそういうことがあるんですか。

植松 もちろんだよ!(笑)

でも、パンはきちんと分量を計って、こねて、
オーブンの温度を設定すればちゃんと焼けるの。
結果が2〜3時間のうちにでて、
これがうまくいったらすごい自信に繋がるんだよ。

あとトイレ掃除もします。
めんどくさいでしょ?トイレの掃除って。

それを嫁にやらせないで自分でやると、
なんだか役に立ってるんじゃないかという
小さな達成感を味わえるんですよね。
そういうのが僕にとって有効なんです。

パンも焼いたし、トイレも掃除したし、庭も掃除したし
明日ガンバロ!って思えるみたいな。

斉藤 ちょっと意外でした。

植松 あとは、めげている時には
10個いいコトを考えるんです。

斉藤 いいコト探しですか?

植松 そうです。
起きた時でも、眠る時でも小さなことでいいから10個挙げてみるの。

そうやって自分をコントロールしていかないとね。
休んでいいよとか、給料上げてあげるよなんて
だれも言わなくなっちゃったから(笑)

斉藤 長いプロジェクトですと半年や1年後に成果が出るので、
そういった具合にメンタルをコントロールして
いかないといけないのでしょうね。

植松 それを人に求めていると甘えになっちゃうから
自分でご褒美とムチを与える方法を発見すると、
とってもやり易いのかもしれないね。

自分自身で無駄に生きているかもって思ってしまうのが
一番ダメージを受けると思うのよ。
だからそんなことないって
小さなことを見つけるのが大事なんですよね。

斉藤 なにをしていても、
モチベーションを保つというのは大切ですよね。

植松 そうだと思います。